続いてニアショア開発のメリットを見ていきましょう。
I. オフショア開発とは
II. 海外でソフトウェア開発を行う理由
III. ニアショア開発とは
IV. オフショア開発のメリット・デメリット
メリット①:大幅なコスト削減効果が期待できる
メリット②:優秀な人材を多く確保できる
デメリット①:言語・文化の違いがある
デメリット②:カントリーリスクや時差の問題がある
V.ニアショア開発のメリット・デメリット
メリット①:コミュニケーションが容易
メリット②:リスク分散ができる
デメリット①:コスト削減効果が薄い
デメリット②:人材確保が難しい
VI.まとめ
前回の記事では「オフショア」とそれに関連する言葉について解説しましたが、今回取り上げるのは「オフショア開発」についてです。
こちらも最近よく聞かれる言葉ですね。
正に今検討中、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はこの「オフショア開発」とそのメリット・デメリットについて、とってもやさしく解説いたします。
是非参考にしてみてくださいね。
サクッと確認!
ポイント
・オフショア開発とは「海外へIT関連の開発を委託をすること」
・ニアショア開発とは「(本拠と同じ国内の)地方へIT関連の開発を委託すること」
オフショア開発 →海外へIT開発を委託すること | ニアショア開発 →地方へIT開発を委託すること | |
メリット | ・大幅なコスト削減効果が期待できる ・優秀な人材を多く確保できる | ・コミュニケーションが容易 ・リスク分散ができる |
デメリット | ・言語・文化の違いがある ・カントリーリスクや時差がある | ・コスト削減効果が薄い ・人材確保が難しい |
目次
I. オフショア開発とは
オフショアという言葉については前回解説した通り、「海外」「海外へ業務委託すること」という意味でしたね。
そこから考えれば「オフショア開発」とは「海外で開発を行うこと」という意味なのかな、というところまではおおよそ想像がつくかと思います。
ただしここでいう開発とは、システムやソフトウェア、アプリケーションなど、IT関係の開発を意味します。
ですので、まとめると以下のようになります。
ポイント:オフショア開発とは「海外へIT関連の開発を委託をすること」
II. 海外でソフトウェア開発を行う理由
では、そもそもなぜオフショア開発が行われるようになったのでしょうか?
理由は大きく2つあります。
一つは「コスト削減のため」。
IT関係の開発において、コストの大部分を占めるのは人件費です。
よってコストの削減を行うとなると、最も効果的になるのは人件費を削減することになります。
しかしこれを国内で行うのは難しいため、人件費の安い海外へ委託を行うようになったのです。もう一つは「人材確保のため」。
IT人材の需要が高まる一方、特に日本国内においてはその育成が追いついていないのが現状です。
国内で即戦力となるエンジニアを採用することも難しく、また採用できたとしても人件費が高くなることが多くなります。
その点、海外であれば国を挙げてIT人材の育成を行っているところもありますので、優秀な人材を国内よりも容易に確保することができます。
オフショア開発が行われ始めた当初はインドや中国が主な委託先でしたが、近年では東南アジアへの委託もメジャーになっています。
また新たな委託先としてはアフリカも注目を集めつつあります。
一つは「コスト削減のため」。
IT関係の開発において、コストの大部分を占めるのは人件費です。
よってコストの削減を行うとなると、最も効果的になるのは人件費を削減することになります。
しかしこれを国内で行うのは難しいため、人件費の安い海外へ委託を行うようになったのです。
もう一つは「人材確保のため」。
IT人材の需要が高まる一方、特に日本国内においてはその育成が追いついていないのが現状です。
国内で即戦力となるエンジニアを採用することも難しく、また採用できたとしても人件費が高くなることが多くなります。
その点、海外であれば国を挙げてIT人材の育成を行っているところもありますので、優秀な人材を国内よりも容易に確保することができます。
オフショア開発が行われ始めた当初はインドや中国が主な委託先でしたが、近年では東南アジアへの委託もメジャーになっています。また新たな委託先としてはアフリカも注目を集めつつあります。
III. ニアショア開発とは
そんなオフショア開発と似た用語で「ニアショア開発」という言葉があるのをご存じでしょうか。
前回ご紹介した通り、ニアショアは「(本拠と同じ国内の)地方、郊外」という意味でしたね。
よって「ニアショア開発」は「(本拠と同じ国内の)地方へIT関連の開発を委託すること」になります。
ポイント:ニアショア開発とは「(本拠と同じ国内の)地方へIT関連の開発を委託すること」
ニアショア開発という形態が生まれたのも、オフショア開発と同じくコスト削減と人材確保のためというのが主な理由です。
海外と国内という違いはあるものの、ほぼ同じ目的で行われるオフショア開発とニアショア開発。
それぞれどういった特性があるのでしょうか?
IV. オフショア開発のメリット・デメリット
まずはオフショア開発のメリットから見ていきましょう。
メリット①:大幅なコスト削減効果が期待できる
オフショア開発が行われるようになった理由でもご説明しましたが、メリットのうち一つ目はコスト削減ができることです。
開発コストの多くを占める人件費ですが、これを削減するには国内ではなく、人件費の安い海外へ委託する、というのが一番の方法になります。
また人件費だけでなく、オフィスを借りる際の家賃や電気代などその他の費用についても、物価の安い海外の方が国内に比べ安く抑えやすくなります。
メリット②:優秀な人材を多く確保できる
日本国内のIT人材市場は売り手市場が続いており、優秀な人材を国内で探そうと思えば熾烈な競争になることは避けられません。
また苦労の末優秀な人材を見つけられたとしても、国内では貴重な即戦力ともなれば、人件費も当然高騰していきます。
その点インドや中国、ベトナムなど、国を挙げてIT人材の育成に取り組んでいる地域であれば優秀な人材が多くいるため、国内で人材を探すよりも人件費を安くできるだけでなく、自社の希望に合った人材を探しやすくもなります。
続いてデメリットを見ていきましょう。
デメリット①:言語・文化の違いがある
当然といえば当然ではありますが、日本国内で仕事をするときとは違い、海外との仕事の際には委託先の誰とでも日本語で話せるわけではありません。
自社と委託先のどちらか、あるいは双方に、英語、日本語、または現地の言葉が分かる人材が必要になります。
そのためにブリッジSEを置く場合がほとんどではありますが、言葉が通じたとしても、お互いに考え方のバックグラウンドである文化が異なってきますので、言葉の捉え方から仕事への考え方まで、異なる部分は少なからず存在します。
日本人の感覚で「これくらい当然のことだから、言わなくても分かるだろう」と思って話してしまうと、相手には全く違う意図で捉えられてしまうことも考えられますし、逆もまた然りです。
ですから設計の内容から報告の仕方まで、開発に関わることを決める際には、どんなことであっても「当然」を前提にして話していないか、お互いによく注意する必要があります。
デメリット②:カントリーリスクや時差の問題がある
これはIT開発のみならず、海外と取引をする際には避けて通れない問題ではありますが、どうしても為替リスクや、治安のリスクなどは多かれ少なかれ存在します。
特に新興国は発展が著しい分為替変動のリスクもついて回ります。
現地で暴動やストライキなどのトラブルがあった場合には、開発を中断せざるを得ない状況になることも考えられるでしょう。
また物理的に距離がありますので、委託先との間で時差が発生することにも注意が必要です。
それぞれの勤務時間があまり重ならない場合などは、コミュニケーションのタイミングについて考慮する必要があるでしょう。
ポイント:オフショアの…
メリット①:大幅なコスト削減ができる
②:優秀な人材を多く確保できる
デメリット①:言語・文化の違いがある
②:カントリーリスクや時差がある
V. ニアショア開発のメリット・デメリット
続いてニアショア開発のメリットを見ていきましょう。
メリット①:コミュニケーションが容易
委託先が海外ではなく国内であれば、言語の壁を気にする必要もありませんし、当然通訳も必要なくなります。
時差もないのでおおよそ一般的と思われる時間に連絡すれば問題ありません。
海外とやり取りするときと比べれば、気を使う部分はぐっと減らせるでしょう。
メリット②:リスク分散ができる
同じ国内であっても、地方へ委託をすることによってリスク分散の効果が期待できます。
特に自然災害の多い日本においてBCP(事業継続計画)の対策はより重要性を増しています。
万が一自社が地震や水害などの自然災害に見舞われても、委託先が物理的に離れていれば、同じ被害に同時に合う可能性は低くなるはずです。
海外へ委託するときのようなカントリーリスクを負うことなく、リスク分散を行えることは、ニアショアの大きなメリットと言えるでしょう。
続いてデメリットを見ていきましょう。
デメリット①:コスト削減の効果が薄い
先ほども述べた通り、ニアショア開発を行う目的はオフショア開発と同様、コスト削減であることが多いです。
しかしながらニアショア開発の場合、オフショア開発ほどのコストメリットを期待するのは難しいでしょう。
オフィスの賃料などの固定費は都市部より安くなる可能性が高いですが、開発費の多くを占める人件費については、高い技術を持った人材であれば、都市部であっても地方であっても同じ額になる場合が多いです。
結果、開発費用はそこまで抑えられなかった…となることも考えられますので、コスト削減に重きを置きたいのであれば、ニアショア開発はあまり向かないとも言えるでしょう。
デメリット②:人材確保が難しい
ニアショア開発は、都市部から離れているとはいえど同じ国内で人材を探すことになりますが、日本国内のIT人材不足の問題は、当然都市部に限られた問題ではありません。
都市部だけでなく地方でも人材を探し、採用候補となる人材の母数を増やすという意味では効果を見込める部分もありますが、優秀なIT人材を積極的に育成している海外のほうが人材を探しやすいことに変わりはありません。
また特殊な案件や、希少性の高いプログラミング言語を使用するような案件の場合、十分な経験を持った人材がアサインされなかったり、そもそも委託先自体をを見つけられない可能性も高まってきます。
ポイント:ニアショアの…
メリット①:コミュニケーションが容易
②:リスク分散ができる
デメリット①:コスト削減効果が薄い
②:人材確保が難しい
VI. まとめ
ここまでオフショア開発とニアショア開発、それぞれのメリットとデメリットを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
今回は少し長くなりましたね。比較しやすいように以下に表でまとめてみましたので、復習などにお役立てください。
オフショア開発 →海外へIT開発を委託すること | ニアショア開発 →地方へIT開発を委託すること | |
メリット | ・大幅なコスト削減ができる ・優秀な人材を多く確保できる | ・コミュニケーションが容易 ・リスク分散ができる |
デメリット | ・言語・文化の違いがある ・カントリーリスクや時差がある | ・コスト削減効果が薄い ・人材確保が難しい |
ちなみに皆さん、表で比較してみていかがでしょう?理想で言えば、両方の開発方法の”いいとこどり”をしてみたいところではありますよね。
そんな”いいとこどり”に近い形のひとつに「ベトナムでのオフショア開発」という方法があるのをご存じでしょうか?
次回の記事では、弊社のあるベトナムでのオフショア開発についてお話ししていきます。是非次の更新もチェックしてみてくださいね。
最後まで読んでくださりありがとうございました!